平成23年 第3回定例議会(9月5日⇒28日)

○ 復旧・復興予算の執行と、将来的な財政運営について

○ 公共サービスの質的改善について

○ 子育て支援について

○ 弘道館・偕楽園の復旧と世界文化遺産登録について

○ 水戸らしい教育での武道教育について

○ 水戸市・内原町合併建設計画、後期における建設事業推進について

○ 鯉渕・妻里市民センターの建設と、防災拠点の整備について

○ 内原駅橋上化の推進策について

○ 合併建設計画にかかる道路整備事業について

○ 合併特例債について

○ 東京電力福島第一原発事故による被害と、エネルギー政策について

  ア. 東京電力福島第一原発事故による被害について

  イ. 食の安心安全に対する消費者との信頼回復への取り組みについて

  ウ. エネルギー政策への所信について

復旧・復興予算の執行と、将来的な財政運営について

【質問】

 職員定数の削減と市税収納率の向上、歳出の無駄削減は、行財政改革の基本であると思いますが、前市長による行財政改革プラン2010においては、厳しい財政状況にもかかわらず、6年間で100億円もの財政効果を生み出しました。また、財政調整基金も1億9,000万円から、25億円まで積み上げた実績に対し、新市長として復旧・復興予算の執行と共に、どのように引き継がれながら、将来的な財政運営をされていくのか、先ずお伺いをいたします。

  

【高橋市長】

 水戸市震災復旧方針などに基づき、本年度の補正予算に計上した災害関連の事業費につきましては、本会議に提出した予算も合わせ、一般会計、特別会計及び企業会計の合計で、災害復旧費が約80億円となっており、そのほか、災害廃棄物の処理や臨時庁舎に係る経費など災害対策経費を含めますと、総額約108億円となっております。
 また、これらの財源については、国庫補助金が約39億円、県補助金が約7億円、災害復旧債が約43億円であり、財政調整基金の取り崩しは、約17億円となっております。これにより、財政調整基金の残高につきましては、平成22年度末で約25億7,000万円であったものが、現在のところ、平成23年度末で約7億8,000万円と大きく減少する見込みとなっておりますが、今後の補正予算において、決算剰余金の積み立てを確実に行うとともに、災害対応経費などの国庫補助金制度を最大限に活用して、財源の確保を行い、取り崩し額の縮減を図り、残高の減少を最小限度にとどめることに努力してまいりたいと考えております。
 予算の執行につきましては、一日でも早い市民生活の安心安心回復のため、各公共施設の復旧、市民サービスの基本的施設である臨時庁舎の設置など震災対応事業の速やかな実施に努めることはもとより、当初予算に計上されている、これまで継続的に進めてきた震災対策以外の各事業などにつきましても、市民サービスの低下を招かぬよう早期発注を図るなど、全力で取り組んでまいります。

公共サービスの質的改善について

【質問】

 大震災の影響で役所の行政機能が15箇所に分散され、市民サービスが大きく低下している中においても、市長のいわれる顧客主義に徹した公共サービスの提供は、まさにこのような非常事態の時だからこそだと思います。
 今日、自治体経営の大きな柱として顧客主義を位置付けております。すなわち行政側の都合にあわせた従来型のサービス提供ではなく、市民の視点でサービスのあり方を考えるものであります。このことにより、多様化する市民のニーズに対し、より質の高い公共サービスを提供することや、公共サービスに必要な財源、人的資源等の限界を理解してもらい、市民とのパートナーシップを作らなければならないし、こうした公共サービスの質的改善等は、行政組織の改革・改善なくしてできるものではないと考えますが、いかがでしょうか。市長の見解を伺います。

 

【高橋市長】

 私は、市民サービスの低下、将来世代への負担の先送りはしない、また、将来投資の財源を確保していくという強い信念を持ち、行財政改革に積極的に取り組むこととしているものでございます。
 その一方で、時代の変化や経済状況を踏まえた中で、市民が今何を求めているのか、最も優先すべき課題は何かをしっかりと見きわめることが重要であり、市政に対する市民の声を的確に把握しながら、施策に反映していきたいと考えております。
 そして、常に市民の目線、民間の感覚に立った良質な市民サービスを提供するためには、人材の育成が重要であることから、職員の意識改革を進め、職務における質的向上を図りながら、市民に信頼される行政運営に努めてまいります。

子育て支援について

【質問】

 多くの子供をもつ親、またこれから「子供を産むなら水戸で」といわれるような環境の中で、産み育て、教育が受けられる施設を充実させることも大事な子育て支援策であり、「ワンパークみと」の賑やかさも、それを証明しているところかと思います。
 一方、ファミリー・サポートセンター事業は、乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かり等の援助を受けることを希望する者と当該援助を行うことを希望する者との相互援助活動に関する連絡、調整を行うものであります。
 そこで、全国ベースでのファミリー・サポートセンター事業は、599市区町村で基本事業が実施され、47市区町村で緊急サポートネットワーク事業が実施されていたが、国の事業再編により一元化され、平成26年度を目標に950市町村での実施を計画されているとのことですが、本市の現状と今後の対応、あり方についてお伺いをいたします。

   

【高橋市長】

 本市におきましては、次世代育成支援対策の総合的かつ効果的な推進を図ることを目的に、平成15年度に水戸市次世代育成支援対策行動計画を策定し、現在は、平成22年度から26年度を計画期間とした165の事業から成る後期実施計画に基づき、計画的な子育て支援の取り組みを進めております。
 後期実施計画の重点推進項目の一つとして位置づけられたファミリー・サポート・センター事業は、地域において育児の援助を受ける者と、援助を行う者を会員として組織化するもので、平成16年度から事業を開始しております。
 現在の会員数は、1,006名を数え、小学校6年生までの児童を対象に、保護者の外出時の預かりや学校の送迎などの育児に関する相互援助活動を行っております。今後とも、会員数の拡大や広報活動の強化を図るとともに、病児・病後児預かりなどの新しい事業の検討を進め、市民相互における子育て支援の促進に努めてまいります。

弘道館・偕楽園の復旧と世界文化遺産登録について

【質問】

SCAN-07.jpg 3月11日の震災直後の弘道館に足を運び、その惨状を目の当たりにして、まさに目を覆うばかりでありました。
 その後の状況は新聞報道等によると、国関係、県の関係部分と難しい分担規制があり、なかなか修理・復旧が進まないとのことであります。県、本市にとりましても観光行政のシンボルであり、また世界遺産登録を目指す、要の施設として、一日も早い復旧が望まれるところでありますが、その見通しについて伺いたいと思います。
 先日、水戸駅南口の水戸サウスタワーの壁に、「復興、そして世界遺産へ。弘道館・偕楽園を世界遺産に」という大きな懸垂幕が掲げられているのを見て、元気をもらいました。また、偕楽園・弘道館復興支援の会によるチラシがどの集会所へ行っても目にとまるほどに、市民の皆さんの関心が高まり、多額の寄付金も集まっているとのことでありますが、この困難を乗り越え、水戸の誇りである文化遺産を未来に伝えていく重要性を痛感しているところであります。
 そこで、弘道館・偕楽園がどのような被災をうけたのか、またその被災によって、今後の世界遺産登録にどのような影響があるのか、さらには世界遺産登録を目指していくのに、ふさわしい復旧方策について、市長の考えを伺いたいと思います。

   

【高橋市長】

SCAN-06.jpg 東日本大震災では、弘道館を構成する多くの重要施設が被災しました。特に、弘道館教育のシンボルとも言える弘道館記碑は、斉昭公自筆の碑文の3分の2が崩落し、私自身、目にするたびに痛々しい思いがいたすところであります。
 また、偕楽園につきましても、好文亭や南崖が被災し、一部が開園したものの、長期間の入園制限を余儀なくされており、本市の観光を始め様々な産業に深刻な影響が出ております。
 このような甚大な被害を受けた弘道館、偕楽園の復旧に当たりましては、本市の世界遺産登録検討専門委員から、遺産が壊れるのも歴史の一部であり、国内外から評価される高い修復技術を駆使していくことで遺産自体の価値が逆に高まるとのご意見をいただいているところであり、文化財修復の専門家の協力を得ながら、創建当時と同じ材料を用い、江戸時代から続くたくみの技で復旧に当たるなど、慎重に対応していくことが必要であります。
 私といたしましても、皆様から愛されてきた弘道館、偕楽園の復興は、本市の復興の象徴として必ずや市民の皆様に勇気と活力を与えるものと認識し、茨城県に対して積極的に要望活動を行ってまいりました。
 弘道館、偕楽園のすばらしさを将来の世代に伝えていくため、スピード感をもって復旧に当たるよう、今後とも県に対し強く要望してまいります。
 また、本年11月、水戸芸術館での開催を予定しております世界遺産登録推進シンポジウムでは、災害復興をテーマの一つとして掲げ、偕楽園・弘道館復興支援の会等と協力しながら、弘道館、偕楽園の復興と再発見に向けた機運を高めてまいりたいと考えております。

武道教育について

【質問】

 「知性に富み、心身共に健全な、風格を備えた水戸人の形成につとめる。」
という本市の教育目標のもと、水戸教学と弘道館教育を基本とした、水戸らしい、五つの実践項目により教育施策の推進がはかられているところかと考えます。前市長の時代から、英語特区としての教育が成果を上げたとのことでありますが、体験学習の推進と、学力向上策とともに新市長へと引き継がれたことかとマニフェストからは読み取れますが、いかがでしょうか。
 我々日本人は、武道というかけがえのない財産を大切に守り、後世に伝えていく必要があると思います。人生の道しるべとしての心が武道には、たくさん示されております。今更申すまでもありませんが、先ず、あいさつにはじまる礼節を重んじること、自分に厳しく他人に優しくの精神、目上の人を敬うこと、質実剛健であり謙虚であること等、小学生からの体験をはじめることにより、更なる子供達の健全育成が図られ、日本再生のカギは、武道教育にありと心から思うところでありますが、武道教育に対するお考えをお聞かせ頂きたいと思います。

   

【教育長】

 武道は、武技、武術などから発生した我が国固有の文化であり、相手を尊重し、礼節を重んずることが大切であるとされております。そのため、技能の習得に加え、礼法を身につけるなど、人間としての望ましい自己形成を促す武道の伝統的な精神を学ぶことは、我が国と郷土を愛する心をはぐくむことにつながり、水戸らしい教育の充実に有効であると考えております。
 現在、本市においては、すべての中学校に武道場が設置されており、各中学校では、来年度から始まる武道の必修化に向け、地域や学校の実態、生徒の心身の発達や段階などを考慮し、指導計画の見直し、改善を図るなど準備を進めているところでございます。
 今後も、教師の授業力向上を図るために、指導助言を通して武道の授業がより充実するよう努めてまいります。

水戸市・内原町合併建設計画、後期における建設事業推進について

【質問】

 人事・組織にかかる内原支所のあり方と、建物にかかる将来的な利活用の考え方、そして最も重要なのが、今までこの支所利用してきた市民の利便性が損なわれないような施策を講じることであります。つまりは、約束事でもある、急激な変化をきたさない範囲での変更をすることだと考えますが、市長の見解を伺いたいと思います。
 また、建物本体の耐震審査が済んでいない状況の中ではありますが、常磐自動車道・JR常磐線そして、国道50号線と非常に交通アクセスのよい場所に位置していることから、議場の移転話も一応の結論が出たことでもあり、本市にとって、また内原地域としての活性化に繋がるような、利活用策を真剣に考える時期かと思いますが、市長の見解を伺いたいと思います。

  

【高橋市長】

 合併建設計画の推進を始め、今後もさらに一体化を図るに当たり、合併から今年度末で7年を経過する中、平成23年度末をもって、内原支所については、必要な組織への統合、再編を行ってまいりたいと考えております。
 地区住民の利便性に配慮した窓口といたしましては、内原地区を所管区域とする出張所を設置し、住民登録を始め、従来と同様の窓口業務を行ってまいります。
 また、産業振興課、建設課、都市整備課につきましては、現在の支所庁舎内に現地事務所を設置することを前提に、本庁関連部との統合に伴う再編を行い、予算やノウハウの一体的な事業推進を図ることにより、合併建設計画の着実な実施に向けた効果的な事業体制を検討してまいります。
 また、支所の今後の利活用については、今後、組織を再編していく過程において、地域振興に資する利活用のあり方について検討してまいります。

鯉渕・妻里市民センターの建設と、防災拠点の整備について

【質問】

 内原支所の存続と鯉渕・妻里市民センター建設は、3ヵ年実施計画での位置付けがされておりますが、いつ起こるかも知れない災害に対しての備えの観点からも、市内31センターと合わせる為にも、早急な建設が望まれているところであります。市長の見解を伺い合わせて、防災拠点としての整備方針についてお尋ねをいたします。

   

【高橋市長】

 災害時において、市民センターは、避難施設や地域の防災拠点となる重要な役割を担う施設であることから、今回の震災を教訓に、災害備蓄倉庫の設置や防災無線の配備などの整備を進めているところでございます。内原地区におきましては、これまで、4つの小中学校及び内原中央公民館の5ヵ所を避難施設としてまいりましたが、今後は、さらに中央公民館を防災拠点施設の一つとしてとらえ、市民センターと同様に災害備蓄倉庫の設置や防災無線の配備などの整備を進めてまいります。
 また、鯉淵地区、妻里地区の2つの市民センターの建設につきましては、水戸市・内原町合併建設計画に基づき3か年実施計画に位置づけ、整備に取り組んでいるところでございます。
 整備に当たりましては、他の市民センターと同様に地域の防災拠点として機能する施設としてまいります。今後の整備スケジュールといたしましては、今年度設立いたしました内原地域自治連合会との協議、調整を行い、整備の時期や場所も含めまして、整備方針を早期に決定し、事業化に取り組んでまいりたいと考えております。

内原駅橋上化の推進策について

【質問】

 岩間駅周辺整備事業も内原駅南側整備事業もそれぞれの合併建設計画に位置付けられておりますが、岩間駅は来年完成するのに、内原駅は調査検討の予算すら未だ計上されていないことに、住民の不満が強まっております。
 合併建設計画は、住民が合併を決断した根拠となる、この上なく重い約束であり、将来にわたってこの内原地域との一体化を進めるにはこの約束の誠実な履行が求められております。これらを踏まえ、内原地域住民が大きな期待を寄せている内原駅南側整備については、まず合併建設計画に位置付けされている「内原駅橋上駅舎の調査費」を計上し、JR東日本等、関係者との検討を始めるべきと考えますが、市長におかれましては、今後どのように事業を推進していかれるのかその考え方をお伺いいたします。

   

【高橋市長】

 内原駅周辺地区につきましては、水戸市第5次総合計画におきまして、複合的な機能を持つ拠点地区として位置づけ、内原駅北側における内原駅北土地区画整理事業を始めとした基盤整備を進め、拠点形成を推進しているところであります。
 一方、内原駅南側は、従来から内原地区の中心部として公共施設、住宅、金融機関などが集積し、市街地が形成されていることから、駅北側とバランスのとれた整備を進める必要があると認識しております。
このため、駅の橋上化の調査、検討は、合併建設計画にも位置づけられているところであり、駅北側の駅前広場や関連する道路などの整備を踏まえまして、駅南側周辺の整備方策とあわせ、議員の御指摘を踏まえ、地元の意向把握やJRなど関係機関との協議をしながら検討を進めてまいりたいと思います。

合併建設計画にかかる道路整備事業について

【質問】

 みと安心プランの中で、社会資本の効果的な維持・整備について、市民の生活に本当に必要な道路等の整備については、将来に過度の負担をかけないように、適正な維持管理を図るとともに、優先順位を定めた整備プログラムを作り、推進していくとのことであります。しかしながら、現実問題として、道路整備の進捗が遅い、いつになったら合併前に約束した道路整備が出来るんだと、大変手厳しい要望が多く寄せられるのも事実であります。
 道路整備の優先順位を定めた整備プログラムにより、不要な都市計画道路の見直しも重要な視点かと思いますが、この合併建設計画にかかる道路整備率の低さから、残された計画期間においてどのように推進し、周知を図るのかお尋ねをいたします。

  

【高橋市長】

 合併建設計画における道路等整備事業につきましては、すべて水戸市第5次総合計画に位置づけ、円滑な推進に努めているところであります。これまでの事業を進めている中で、国、地方とも厳しい財政状況下における国の補助金の削減や市の投資的事業全体の縮減、また、地元地権者との合意形成の難航などで計画どおり進んでいない事業もございます。
 このように厳しい財政状況が見込まれる中ではありますが、日常生活に欠かせない道路や子供達の安全を確保するための道路など、地域住民の要望が高いものにつきましては、優先的に取り組んでいるところであります。
 引き続き、財源の確保及び地元地権者との合意形成に努めるとともに、事業の優先性、緊急性を勘案しながら、合併建設計画の実現に向けまして、計画的な事業推進に努めてまいります。

合併特例債について

【質問】

 全体計画における合併特例債可能額は、214億1,800万円と示されているが、現在実施されている事業の他、後期計画での予定について伺いたい、併せて財政力指数との関係についても説明頂きたいと思います。
 私は合併建設計画も残り後期3年となり、このままの状況で本当に期間内での実現が、どこまで可能なのか財源問題とからめ、危惧するものであります。今般の東日本大震災による被災地の合併特例債、発行期限5年延長の対象は69市町村だが、全国に波及するとの報道があり、栃木県の佐野市などでも、本庁舎の建て替えに特例債の活用をしていくとの方針が報じられているが、特例債に対する市長の見解を伺いたい。

   

【高橋市長】

 合併特例債につきましては、合併建設計画に位置づけられた事業のうち、特に必要と認められる事業に対し、その財源として借り入れすることができる地方債で、元利償還金の70%が交付税措置される財政上有利な制度であります。これまで、内原保育所、内原幼稚園の整備、水道の送水・連絡管布設事業、内原駅北土地区画整理事業、内原図書館の整備に活用しており、平成23年度予算までの総額は、約16億6,000万円となっております。
 これらの事業を含めまして、合併建設計画に位置づけられた事業につきましては、すべて水戸市第5次総合計画に盛り込み、推進しているところでございます。
 依然として厳しい財政状況が続くことが見込まれる中で、今後とも、内原駅北土地区画整理事業や鯉淵小学校改築事業、市民センター整備事業など、合併特例債の適債事業への有効活用を図り、財源の確保に努めるとともに、市民の視点に立って施策の優先性、緊急性、進捗状況、社会経済情勢の変化などを総合的に勘案しながら、計画期間内の事業推進を目指してまいります。

東京電力福島第一原発事故による被害とエネルギー政策について

ア. 東京電力福島第一原発事故による被害について

   

【質問】

 原発事故は、我が国のあらゆる分野にわたって、ほとんど算出不可能な甚大な被害をもたらし、その終息は、いまだに予測することすらできない状況にあります。
 東京電力は、国の方針を受けて、被害の補償に応じる方針を示しているが、本市においてもこれに対応するため、県の方針に従って農業者組織と共に、損害賠償請求をとりまとめるための、「損害賠償対策協議会」を立ち上げたと聞いておりますが、現在までに本市の農畜産物における出荷停止措置の採られた品目と、その被害額、そしてまた風評被害の額はどの程度になるのかまずお伺いいたします。
 また農家によっては、様々な理由により損害賠償請求をあきらめている人も多く存在すると思われますが、あくまでも生産者は完全な被害者であり、生活にかかわる問題でもあるところから、今後とも積極的なPRに努めて、請求漏れのないよう対応すべきと思いますが、市長の考えをお聞かせ下さい。

  

【高橋市長】

 本市においては、JA水戸や水戸市そ菜園芸出荷団体連絡協議会などと東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策水戸市協議会を組織し、東京電力に賠償請求するため、各農家から取りまとめて、毎月1回損害賠償請求をしているところです。
 このうち、出荷停止となった品目は、ホウレンソウと原乳で、その請求額は、約8,000万円となっております。また、風評被害に伴う請求額は、4月から7月で約1億7,000万円となっております。これらを合わせた請求額の合計は、約2億5,000万円となっており、これらのうち、東京電力から仮払いされた金額は、約7,500万円となっております。
 また、農畜産物の損害賠償対策につきましては、これまで、市報や市のホームページやチラシなどにより農家に情報提供するとともに、賠償請求の仕組みや方法などに関する説明会を開催し、出荷団体などを通して参加を呼びかけるなど、周知活動に取り組んでまいりました。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、個々の農家について賠償請求の漏れがないように、農業団体への聞き取りを行うとともに、市報やホームページを通して周知の徹底を図ってまいりたいと考えております。

   


   

イ. 食の安心安全に対する消費者との信頼回復への取り組みについて

  

【質問】

 文字通り、降って湧いたようなこの度の放射性物質による農畜産物の汚染問題は、消費者の方々の食の安全・安心に対する信頼を大きく揺るがすこととなりました。特に、有機無農薬栽培等による産物、また地産地消での直接消費者との信頼関係の上に成り立つ作物を作るための堆肥、とりわけ山林の木の葉が汚染されたことによる「土つくり」の原点を見直すことは、大変な苦労が伴うものであり、非常に残念でなりません。一度失った信頼を再び取り戻すことの困難さは、何も、食に限ったことではありませんが、この課題を避けては、本市農畜産物の信頼を回復して、需要の拡大に結び付けることは到底できません。この難局を乗り切るには、生産者と行政も共に汗を流し、長期にわたっての、地道な活動が必要かと思いますが、本市農畜産物の信頼回復を具体的にどのように進めようとしているのかお聞かせ下さい。

 

【高橋市長】

 食の安全、安心に対する消費者との信頼回復の取り組みにつきましては、市内の農畜産物が安全、安心であるということを周知していくために、新たに放射能測定機器を導入して放射能検査を行うことといたしました。
 この検査機器の運用につきましては、現在、JA水戸や野菜出荷団体などから成る協議会で検討を進めており、今後、市内の農畜産物の検査を幅広く実施して、その結果を公表していくことにより、市民の農畜産物に対する不安を払拭するとともに、市民に安全、安心な農畜産物を提供してまいりたいと考えております。
 なお、11月に予定している水戸市産業祭などにおいて、検査機器を使用して農産物の放射能測定を実演したいと考えております。
 いずれにいたしましても、消費者は、食に対して安全、安心を求めていることから、今後とも、JA水戸などの農業団体と連携して、本市の農産物の安全性を広く周知の徹底を図りながら、風評被害の解消に取り組んでまいりたいと考えております。

   


   

ウ. エネルギー政策への所信について

  

【質問】

 震災から半年経過のなか原発事故への検証により、原発施設より300キロ圏内の地域での危険性があったとの報道に信じがたい恐怖感を覚えたのは、私一人ではないと、いわゆるその範囲は、東京全域から神奈川県にも及ぶところであります。一瞬にして安全神話がもろくも崩れ、これから帰宅される福島県の被災者の皆さんへの、まずは除染対策からとはいえ、その処分場所・方法の対策もなく、このような現実に益々、反原発への空気が強まる世論の形成がされていくところであります。
 御承知のように、電力発電の割合は全体の62%が火力発電であり、水力が8.1%、そして原子力発電が29.2%の中で、自然エネルギーとしての太陽光・風力・地熱などの供給量は1.1%にすぎないところであります。
 原子力政策については、国のレベルでその基本方針を決めるのが、当然のことでありますが、先程申し上げた300キロ圏内との想定や、東海第二発電所の関連もあり、新しい市長としてこのエネルギー政策についてどのような所信をお持ちか、多くの市民が関心を示していると思いますが、市長の見解を求めます。

   

【高橋市長】

 私は、このたびの福島第一原子力発電所の事故が、日本のエネルギー政策に大きな影響を与えるものと認識しておりますが、国内におけるエネルギーの確保、供給にかかわる政策は、基本的には、産業政策や国民の生活、安全性、環境問題などを総合的に勘案した上で、国が責任を持って判断していくべきものと考えております。
 一方で、石油などの化石エネルギー資源は、限られた資源であることから、再生可能エネルギーへの転換は、地方自治体がみずから取り組んでいくべき重要課題であると認識しております。
 したがいまして、地球温暖化の視点からも、太陽光発電の住宅などへの普及など太陽光を始めとした再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組み、市民への浸透を図るほか、市役所エコプランにより行政みずからが率先して取り組みながら、省エネに資する施策にも重点化を図ってまいる所存であります。